イベント・広報
過去に開催されたイベントレポート

白馬EVフォーラム/次世代車試乗会

白馬EVフォーラム/次世代車試乗会

開催日:
2015年7月18日(土)、19日(日)
開催場所:
長野県白馬村Hakuba47
参 加 者:
138名(フォーラム)、166名(試乗会)
2015 JAPAN EV Rally HAKUBA

第2回目となる「ジャパンEVラリー白馬2015(日本EVクラブ主催)」が、2日間にわたってHakuba47で開催されました。これに併せて次世代自動車振興センターでは、「白馬EVフォーラム」及び「次世代車試乗会」を開催し、日本各地から訪れた来場者に対して白馬村の環境への取り組みや次世代自動車の魅力を紹介しました。

白馬EVフォーラム

~EV・PHV・FCVによるゼロ・エミッション・モビリティと観光開発を考える~

近年白馬村には、登山やスキー等、マウンテンスポーツの聖地として国内外から多くのお客様が訪れています。環境立村を掲げるこの国際的な観光地では、環境観光を実現すべく、交通のゼロ・エミッション化に取り組んでいます。
このゼロ・エミッション・モビリティと観光に関する理解促進を目的に開催した今回のフォーラムでは、北海道大学 小林教授の基調講演のほか、白馬や環境に詳しい4名のパネラーやタレントのはなさんをお招きし、国際的な観光学や白馬の観光行政などを交えてパネル・ディスカッションやトーク・セッションを行いました。

基調講演 北海道大学大学院 客員教授/小林英俊氏 「日本初ゼロ・エミッション観光地を目指し!」 ~静かで空気の旨いリゾート村~
世界有数の観光地が持つもの
日本のエコ・ツーリズムの第一人者でもある小林氏は、環境観光の先進国であるスイスを事例に今後の観光地の有り方についてお話された。スイスにはガソリン車の乗り入れが禁止されたリゾート地が点在し、公共交通機関として電気自動車が走る街中は、非常にきれいな空気と静かな環境が保たれているという。
ゼロ・エミッション観光に一番近い存在
現在スイスでは、国家プロジェクトとして、人力で楽しめるモビリティ(ハイキング、自転車、カヌー、インラインスケート等)と公共機関や宿を組み合わせて環境に配慮した持続可能な旅のスタイルを提案している。白馬村は今年に入り、新たな小水力発電が完成し、電力の完全自給直前まで近づいており、EVや電動自転車そして徒歩によるトータルなゼロ・エミッションを実現できる一番近い存在であることが提示された。
白馬村は未来を示す環境立村へ
このゼロ・エミッションを徹底する環境思想が、良質の観光客を海外から呼び込み、国内外の企業とのコラボレーションの道を拓くとも語った。白馬村が、この取り組みを継続し続ければ、10年後には静かで空気がおいしい世界有数の村となる事は可能だと締めくくった。
パネル・ディスカッション コーディネーター/小林英俊氏 「白馬村のゼロ・エミッション・モビリティと観光開発を考える」

現在白馬村では、電力自給率が100%に近づくなか、排出ガスのない交通のゼロ・エミッション化が課題となっています。国際的な環境立村を掲げる白馬村にとって、EVなどを用いたゼロ・エミッション・モビリティは、環境観光の推進に欠かせないものとなってきたといえます。
今回のパネル・ディスカッションのテーマは、まさにこの点であり、有意義な意見交換が行われました。

  • 北村興二氏白馬村観光局 局長

    「白馬村観光の歴史的考察」

    白馬村の成り立ちとスキーとともに発展した歴史を振り返った。
    山岳リゾートとして発展してきた白馬村だが、世界の山岳リゾートと比較すると解決すべき課題が見えてくるという。
    今の課題は、厳しい環境規制があるなかで、未だ残る化石燃料車をいかに減らしていくか。世界のリゾート地では、街を走る観光バスの多くに電気自動車が使われており、白馬村の公共交通機関もゼロ・エミッション化し、先鞭を付けていきたいと話した。

  • 寄本好則氏EVスーパーセブン日本1周ドライバー

    「実感!ゼロ・エミッション」

    2013年9月24日から56日間をかけて、手作り電気自動車「EVスーパーセブン」で急速充電日本一周の旅を成し遂げたという。
    日本各地の観光名所をこの電気自動車で訪れることで、排気ガスを出さないゼロ・エミッションへの驚きと感動を伝え、点と点をつなぐ旅になったと語った。
    白馬村もそうした点のひとつとして、日本中から観光客が訪れる場所に生まれ変わることに期待したいとエールが送られた。

  • 渡邊俊夫氏白馬EV推進協議会 会長

    「地域モビリティの未来」

    白馬村地域の移動手段のあり方を3年前から検討している。
    白馬村の自動車の総保有台数は9,250台。年間に排出される二酸化炭素の量は35,700トン、燃料の支出金額を換算すると20億円に達する。
    この20億円分のエネルギーをいかに自給していくかがゼロ・エミッション化達成への近道になると語った。

  • 舘内端氏日本EVクラブ代表 代表

    「村EVの提案」

    白馬村の誰もが乗りやすく、あれば助かるゼロ・エミッションの「村EV」を具体的なスケッチと映像を交えて紹介した。
    逆三輪車型(リバーストライク)で、前輪が2輪あるため、安定性が極めてよいのだという。積雪の多い冬場には、前輪に短いスキーを履かせ、後輪はキャタピラー駆動とすることで、スノーモービルの様に降り積もる雪の上を平気で走行できるようになる。この様子が実際の映像で紹介されると、会場からは驚きの声があがった。

トーク・セッション 出演/はな氏(タレント)聴き手/舘内端氏 「白馬とEVと観光」

白馬には、小さい頃からスキーに訪れていたというはな氏。今回は、会場まで約50kmの道のりをEVに乗って来場されました。EVに乗車されたのは今回が初めてで、静かでスムーズな乗り心地と環境にやさしいEVの魅力に触れ、初体験の喜びを実感していました。

はな氏:
「スイッチを押すと、まるでパソコンやスマホの様にスーッと使い始められる感じに驚きました。運転中もとても静かで、自然の中に溶け込むような感覚になりました!」
舘内氏:
「夏の白馬村は、川下りやカヌー、マウンテンバイクでのダウンヒルなどが楽しめます。これらの目的地までの移動を、CO2を出さないEVなどで行えたら、到着したあとのアクティビティも含めて全てゼロ・エミッションになります。これを目指していきたいところです。」
はな氏:
「鳥の鳴く声だとか川のせせらぎの音だとか、窓をあけて走ると都会では味わえない自然の音が耳に届いてきて、それも電気自動車の魅力ですね。この自然と一体となった感覚って、素敵ですね!」
舘内氏:
「その感覚が、ゼロ・エミッションの観光なんですよね。」
白馬ビジョン 白馬村 村長/下川正剛氏 白馬EVフォーラムの総括

フォーラムの最後には、今回のテーマ「EV・PHV・FCVによるゼロ・エミッション・モビリティと観光開発を考える」を総括して、白馬村村長による白馬ビジョンが宣言されました。
 
「白馬村は、クリーン・エネルギーの導入とクリーン・モビリティの普及により、環境に優しい地域モデルの構築を積極的に進めて参ります。」

次世代車試乗会

「違いを感じた」という声続々!

2日間に及ぶ試乗会では、国内外の次世代自動車(EV・PHV・FCV)18台が集まりました。
希望者には、約6kmの公道コースを試乗いただき、各社車両それぞれの乗り心地を体感いただきました。
 
これほど多くの次世代自動車が観光地に集結することは少なく、試乗希望者は絶えることなく大変盛況でした。

試乗インプレッション
タレント はなさん

もう走れますよ、と説明されたときは、
「(音が静かで)これで動くの?」と聞き返してしまいました。
実際に乗ってみると、どの車にもワクワク感が
ギュギュッと詰まってて・・
あとからみんなで、ほんと欲しいよね!
帰ったら東京のスタッフにも魅力を伝えようって、話したくらいなんですよ。

白馬村 MIさん

国内外のクルマ、40台を乗り継いできました。
そんな私が気に入って試乗したのは、アウトランダーPHEV。
用途が広くて、好きなマウンテンバイクを積んで楽しめるから!
道の駅やホテル以外にも充電器を整備して、
環境に良い先進的な村となれるよう応援したいです。

長野県 RMさん

今はプリウスに乗っていますが、さらに環境に
やさしいFCVにも乗ってみたかったんです。
航続距離650kmもあれば、安心ですよね。
重心が低いみたいで、カーブでも安定感がありました!

長野県 TIさん

BMWのi3に乗ってみました。
アクセルの感覚がちょっと慣れてなくて戸惑いましたが・・
路面からの振動は少なく感じました!
思っていたより、前の席も広くて開放的。
本当はi8が理想ですが、i3もとっても良いクルマですね!

長野県 TMさん

VWのe-UP、BMWのi3の他、
一番気になっていたベンツのPHVに試乗しました。
乗り心地が別格でしたね。コーナーなどでも、
シートのホールドが強くなって、安心感がありました!

試乗アンケート結果
試乗前、試乗後を比べるとEV・PHV・FCVの購入意欲が3割近くアップする結果に。

次世代車試乗会では、2日間で延べ166名の方が体験。地元、長野の方が4割近くを占め、東京、愛知、神奈川、埼玉からも多数参加いただきました。

試乗体験者のほぼ全てが違いを実感!
先の購入検討の意欲を含め、試乗された体験者からは次のような声がアンケートで寄せられました。
  • 普段なかなか乗れないクルマに乗れて
    いい経験になりました
  • 車ごとの個性を実感できた
  • 思っていたより加速がよかった
  • EV・FCVの魅力を知ることができた
  • とても静かで運転しやすかった
  • 車の購入を考えるときの参考にしたい