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チラシ

人気スポットを支える充電器 富岡製糸場(群馬県)

複数の補助金活用で充電器を2台完備
ユーザーのバッティング対策も

2014年、日本で18番目の世界遺産に登録された「富岡製糸場と絹産業遺産群」。貴重な施設を後世まで維持するため、環境負担の少ない充電器を積極導入・運用している。

観光バスも多い上町駐車場。既に利用者がいる場合は、隣のEV車スペースで待機することができる。利用者の評判も良く、スムーズに充電が行われているという。


エコ事業を積極的に推進し、創建当時の環境を維持

140年余りの歴史を持つ富岡製糸場は、2014年6月に世界遺産登録され、多い時は1日に8,500人ほどの観光客が訪れることも。外国人客も増えており、音声ガイドも日本語のほか、英語、フランス語、中国語、韓国語が用意されている。ガイドツアーやスマートフォン用のガイドアプリもある。開場時間は、9:00~17:00(受付は16:30まで)

世界遺産に登録され観光客数が3倍増。
充電待機用スペースも確保

  明治5年に日本で最初の官営模範工場として創業し、現在もほぼ当時の姿を残す富岡製糸場。2014年6月、世界遺産に登録された同時期に、製糸場近くの市営駐車場2カ所に急速充電器を設置した。月の利用が40件近くに達するほどの盛況ぶりで、全国の観光客に多く利用されているという。 「イコモス(国際記念物遺跡会議)から勧告があった4月末から製糸場に注目が集まり始め、1カ月あたりの来場者数が4万人弱から17万人弱と、大幅に増えました。それに伴って増加するEV・PHVユーザー同士の充電時のバッティング対策として、充電用の駐車スペースを2台分設け、片方は待機用とする工夫もしています。待ち時間を観光に充てるなど、ストレスなく時間を有効活用していただきたいですね」(富岡市役所 経済環境部環境課 課長 金井氏)

複数の補助金を組み合わせ
初期費用と維持費をカバー

  補助金を最大限活用すべく、導入決定から、わずか半年で設置が完了した急速充電器。富岡市は導入時のほか、維持費の負担を削減するため、NCS(日本充電サービス)の補助金も活用している。
「設置にかかる費用はもちろんのこと、毎月の基本料金をはじめ、維持費も大きな負担になります。国と自動車4メーカーによる補助金をうまく組み合わせることが、今後の充電インフラ拡充のひとつのカギになると思います。

宮本町駐車場にも急速充電器が設置されている。そのほか、富岡市内には市役所富岡庁舎、市立美術博物館、妙義山パノラマパーク、市役所妙義庁舎にも急速充電器が各1台ずつある。

繭から生糸を取る作業が行われていた繰糸場。創業当初はフランス式の繰糸器300釜が設置された世界最大規模の製糸工場だった。現在は、昭和40年代以降に設置された自動繰糸機が保存されている。

  富岡市では、グリーンニューディール基金で避難所への太陽光発電の設置事業にも取り組んでいますが、EVもぜひ蓄電池の対象にして欲しいですね。災害時において移動ができる蓄電池として大きな力を発揮することは間違いないですし、EV普及にもつながると思います」(金井氏)
  富岡市は、伊香保温泉や軽井沢をはじめ、さまざまな地域と観光協定を結んでいる。今後、EV・PHVでの観光が増えると予想されるなか、地域同士の広い連携も必要になるだろう。

Check Point

富岡製糸場
【住所】群馬県富岡市富岡1-1【充電器設置場所】市営上町・宮本町駐車場
【充電器タイプ】急速充電器 2台(各駐車場に1台ずつ) 
【充電料金】無料(2014年9月現在。今後、有料化の可能性あり)【利用可能時間】8:30~17:15(年中無休)

※原稿は、2014年8月27日に取材した内容を元に作成。